個別ケアってなんだろう?
「もっと個人に目を向けましょう」
グループホームなどの小規模の施設は入所されている方が少ないので、個別ケアに取り組みやすいと言われています。
では、「個別ケア」ってなに?
集団ケアでなければ個別ケアなの?
1対1なら個別ケアなの?
まずは「個」について考えてみる。
個別、個人、個性…
シンプルに言ってしまえば
人は生きているだけで特別な「個」であり、
生きているだけでその人の「個性」は溢れている。
おじいちゃんおばあちゃんも。
あなたもわたしも。
個別ケアで大切なのは、その人のことをよく見ること。
だけど、よく見て知って、この人にはこんなケアがいいんじゃないか。と見つけたところでそれを実践に移すことが難しいのが今の介護現場。
大きすぎる目標は介護者にとって大きな負担になり、それが良くないエネルギーとなって相手のお年寄りに向かっていってしまう。
あるいは、職員が自分に能力に自信を無くして退職する。
そんな悪循環を生んでいる現状もあります。
なので、できる事から少しずつ。
海外旅行が大好きだったおじいちゃん。
キーパーソンは遠方に住む甥。
「もう一度、海外旅行に行きたい」
わたしたちの職場ではその願いは叶えてあげられない。
では、その代わりに「今」何ができる?
部屋に思い出の海外の写真を飾る。
旅行のパンフレットや雑誌を見ながら話をする。
その国の料理を食べに行く。
好きな国のDVDを探して鑑賞会をする。
など。いろんな意見が出ました。
こんなふうに、本人のやりたいこと好きな事と、その介護現場の力量をしっかり分析して無理なく進めていきたいですね。
得意分野を活かしてその「専門」として雇ってもらうとかいいなぁ(*´ω`)
入浴介助はできないけど、お年寄りと一緒に畑仕事するの大好きです!
施設内での介助は自信ないけど、介護タクシーの経験もあって、外出レクの企画が得意です!
とかね。
ちょっと余談だけど、グループホームは家事を全て職員がこなすことろもあるわけです。
調理、洗濯、掃除、レクリエーションをやりながらお年寄りの生活を見守り、介助をする。
同時に後輩の指導や事務仕事もやる。
これすべてこなせる人なかなかいないです。
そして、「全部こなそう」と頑張っちゃってる人からしたら、ちょっと仕事が遅いとか、覚えが悪い人が目につくんですね。
なので、お年寄りだけじゃなくて、介護職員の「個性」にももっと目を向けて職員配置も考えていきたいですね。
きっとそういうことができている施設は働きやすいので退職者も減るんじゃないかな~( *´艸`)
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その言葉のかげにあるもの
「優しくすると図に乗るからやめて。ほっとけば落ち着くから」
認知症の人や自己主張の強い人にしっかり向き合って関わろうとする職員さんは、しばしば周りからのこのような発言に悩まされています。
同じ内容で何件も相談を受けたことがあります。
相手のことをしっかり見つめて心のかかわりを大切にしているとお年寄りから好かれる。
そうすると今度はこんな言葉が飛んでくる。
「あなたが優しくするから、優しくないわたしたちが嫌われる」
知るか( ゚Д゚)!!
そのひがみ根性たたき直してやるわ!!
…って当時は言えなかった。
(これ、2年ほど前に実際にわたしが言われた言葉です。)
ほっとけば落ち着く?
落ち着くって「安定」「平穏」ってことだよね?
「放置」という名の圧力をかけて黙らせるのとは違う。
全く知らないところに連れてこられた。
まわりも知らない人だらけ。
落ち着かない。家に帰りたい。
そう訴えるのは間違ってますか?
身体が思うように動かない。
そのもどかしさや悲しみを受け止めてほしい。
甘えさせてほしい。
そう思うのはおかしいですか?
もちろん、状況によって全て聞き入れることが難しいこともある。
でもね、お年寄りもあなたと同じく感情や意思を持って生きている人間です。
わがまま言いたいときあるよね?
寂しいって誰かに甘えたいときあるよね?
でも自分は「わがままは言っちゃいけない」って言われて育ってきた。
「甘えるな!」って言われて育ってきた。
だから、
甘える人やわがまま言う人が許せないんだ。
「優しくすると図に乗るから」「ほっとけば落ち着くから」
自分が優しくされたいんでしょ?
ほっとかれて、悲しいけど諦めたことがあるんじゃない?
「優しくないわたしたちが嫌われる」
優しくしたいんでしょ?本当は好かれたいんだよね?
でも素直じゃなくてうまくできないから優しい人を攻撃するの。
わたしたちは「人に迷惑かけてはいけません。」って教えられて育ってきた。
みんなその教えの通りに頑張って生きてる。
そんな生き方やめな!!って認知症の人は教えてくれる。
甘えて頼って、好きな事した方がこーんなに楽しいよ!って見せてくれてる。
だから認知症の人の笑顔は最高にステキです。
介護の仕事してるとそんなふうに感じることがたくさん(*´ω`)
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資格ってそんなに大切?
「専門の学校で勉強して資格持ってる人は仕事が素晴らしい」
「専門的に勉強してきて資格持ってる人は口ばかりで仕事できない」
どっちの意見もきくけど、そんなに資格って大切?
あなたが介護をされる立場になったとします。
どんな人にそばにいてほしいですか?
介護福祉士の資格持ってる人?
社会福祉士とかケアマネとか、資格いっぱい持ってる人?
看護師?
あなたのことを思いやってくれる人?
あなたの嫌なことをしない人?
毎日の生活を一緒に楽しんでくれる人?
わたしは
自分のことを大切に思ってくれる人がいい。
目の前の人を大切に思う時。
その人の喜ぶ顔が見たいと思った時。
そうするために自分に足りないものがあると思えば人は一生懸命学びます。
今日、友人からあるデイサービスの話を聞きました。
その施設はリーダーになる為には介護福祉士の資格を持っていなければならない。
常勤のリーダーが退職したため、後任は介護福祉士の資格を持つ非常勤の人が勤めることになった。
途端に現場から不満の声が溢れ、退職者まで出るということ。
もっと職員その人自体を見ませんか?
資格を持っていなければできないという。
非常勤だからダメだという。
わたしも「パートだからでしゃばるな」と言われたこともあるし、パートでも現場の中心で仕事をさせてもらったこともある。
そして、自分自身で「わたしパートだし…」って逃げていたこともある。
そんなに資格が大事?常勤であることが大事ですか?
高卒でも、別の仕事から転職してきた人でも素晴らしい介護でお年寄りの笑顔を引き出す人いっぱいいます。
20年以上の介護経験があって、資格もある、責任者も務めたことがある人でも、お年寄りに向かって「邪魔!」「あっち行ってて!」って言う人います。
介護の仕事は職員ひとりずつの売り上げが出るわけじゃない。
お年寄りの満足度が正確に測れるわけでもない。
資格があるからって驕ることなく、資格がないからって自分を卑下することもなく。
そのままのあなたで勝負です( *´艸`)
認知症の人からしたら、「こんな資格持ってます~」とか「これだけ経験あります~」
とか全然興味ないって!笑
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1%の鍵
「人生のたとえ99%は不幸だとしても、最期の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」
ナイチンゲールの言葉。
これは、看取り士を目指して頑張っているお友達から教えてもらいました。
看取り学では、その1%は息を引き取る最期の時間に焦点を当てているそう。
その1%はどこからどこまでか正確にはかることはできないけど、
介護の仕事をしているわたしたちもその「最期の1%を幸せにする」カギを握っている。
最近、「死」についてのキーワードがまわりに多く現れます。
看取り士の彼女のこともそう。
葬儀社にお勤めの方や納棺師さんと「命の話をしよう」というお話もあります。
人の死をみつめる仕事。
その前に、わたしは「自分の死をみつめる」ことをしたいと思います。
自分が死ぬということはどういうことなんだろう。
この世に遺していきたいものはあるのか。
誰に何を伝えていきたいのか。
「生き切った!」と言って、笑って死にたい。
そして、愛に包まれていたい。
きっと、みんな「死」について思うこと、感じることは違う。
介護や医療の現場などで仕事して「死」の場面に何度も立ち会っている人と、そうじゃない人は「死」についての情報量が違うので意識の差も大きい。
先月、勤め先で亡くなったおばあちゃんや、自分の祖母が亡くなった時の状況を思い出してはそう思います。
スウェーデンで長く介護士として働いている人達はこう言うそうです。
「いかに人間として自然に死ぬことができるか」を大切にしたい。
どんなふうに最期を迎えたいかを知れば、そのためにどういうケアをしていったらいいか見えてきます。
まずは、自分のために自分の遺書を書いてみませんか?
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「介護」ってなんだろう?その2
「介護」とは、病人や高齢者などを介抱し看護すること。
辞書を調べるとこのように書いてある。
きっと一般の人のイメージは
下の世話をする。
ボケた人の世話をする。
大変だよね~( ゚Д゚)
っていう感じ。
でも、最近ずっと書いていること。
介護は特別な事じゃない。
家族が病気になったり、怪我したりしたらできるだけ不自由ないようにお手伝いするよね?
それと同じこと。
人として生活ができるようにお手伝いしているだけ。
だから誰にでもできる仕事なのです。
そこに専門性を求めすぎて、よそとは違うことをやろうとし過ぎてなんだか変な方向に走って行っているところもある。
それが行き過ぎると働く職員の負担が大きくなってしまうこともある。
ずっと介護の仕事をしてきて思うこと。
大切なのは、相手の嫌なことをしないこと。
言うのは簡単だけど、難しい。
その前に相手をよく知ること、そして自分自身をよく知ることも大切になってくる。
自分自身を大切にできて、穏やかな気持ちでお年寄りに関わることができる。
そして、介護の先にある安らかな死を見つめられる。
誰にでもできる仕事。
だけど、これ絶対大事なところ。
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「介護」ってなんだろう?
「介護されるようになる人」「介護されるようにならない人」の違いは何なんでしょう?
「介護が制度化されるような今の世の中がおかしいのでは」
ある人から投げかけられた問です。
「わたしは認知症のない世界、グループホームの必要のない社会を目指す!」
こちらは介護を仕事とする友人の言葉。
どちらも要介護者や認知症の人を批判するものではありません。
できれば死ぬまで元気でピンピンコロリといきたい。
介護される人が少なくなれば、本人や家族の悩みや苦しみが減ってみんなハッピーになるんじゃないか。
そんな思いから出た言葉。
うん。確かにそうかも。
逆に、介護の仕事をする中で関わってきたご家族の話で
「意地悪だった姑がボケてから穏やかになってとても助かっている」
ということも聞きました。
いろんなケースがありますから、どれが正解とかはありません。
今、介護予防についてもいろいろなところで取り上げられていますが、本当に介護を受けずにコロリといきたいと思ったら。
年を取ってなんとなく将来が不安になってから動き出すのではなくて。
介護が必要になってから慌てるのではなくて。
若い頃から。
子どもの頃から。
お母さんのおなかにいる時から。
できることたくさんある。
それは、専門の学校に行って福祉について学ぶことではありません。
定期的に健康診断を受けることではありません。
医者に言われるがままに予防接種を受ける事でも、お薬を飲むことでもありません。
あなたの中にある「自分を癒す力(自己治癒力)」を知り、高めていくこと。
あなたの周りの人はあなたが思っているよりずっと優しいんだと知ること。
人間は弱い生き物だから、誰の力も借りずに生きてくのは不可能だと知ること。
自分の身体と心を大切にして、周りの人を大切にして。
そんなふうに生きていけたら、その先にある老いや、人に助けてもらうこと、人に頼ることも自然なこととして、ライフイベントのひとつとして迎えられる。
そんな気がしています。
そう考えると、「介護」はやっぱり特別な事じゃない。
日常生活のすべてにつながっていく。
今後は、そのつながりをひとつずつひろってお伝えしていきたいと考えています。
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介護スキルがないのか?それとも別の問題か。
以前書いたこの記事。
こういうことって、相手が認知症の人じゃなくても起こりうるけど、認知症の人はストレートなだけにその行動や言動があなたの心を大きく揺さぶるんじゃないかな。
ただ、仕事中の問題って単純に知識や経験不足から発生するわけではない。
やる気の問題だけでもない。
1年ほど前、仕事のことで悩んでる同僚の話を聞きました。
どうしてもお年寄りにイライラしちゃうんです。
こういうお悩みとっても多い。
イライラする自分を責めてしまい、ますます落ち込んでいく人もいる。
そんな彼女は上司に「認知症の人とのコミュニケーションがなってない!」と言われ、認知症理解のための研修に行かされていました。
彼女はどんな時にイライラしていたかと言うと、
夜中に何度も起きてくる時。
薬を飲んでもらえない時。
とりあえず、自分の思い通りに相手が動いてくれないとイライラする。
なんで思い通りにいかないとイライラするの?
…仕事が遅れていくから
なんで仕事が遅れたらだめなの?
…みんなに迷惑かかるから
なんで迷惑かけたらだめ?
…怒られたくない
なんで怒られたらだめなの?
…嫌われたくない
彼女は、同僚の職員の目を非常に気にしていたんです。
経験も知識もある。
その力を発揮できないのは人の目を気にしすぎてしまうから。
彼女自身、「わたしはもっと力がある。それをもっと発揮して仕事ができるようになりたい」と話してくれました。
ここから、なぜ人の目を気にしてしまうのか。に話は進んでいくのですが、ここでは省略させていただきます。
このあたりがはっきりしてこれば、上司としてやれること、先輩職員としてやれること。
そしてやらなくてもいいことがクリアーになってきます。
ぜひ、根本を見つけてそこからのアプローチを(*´ω`)
そして、周りの人だけではなくてあなた自身にも問いかけてあげてくださいね♪
「なんでなんで~?」ってひたすら聞いてみて。
おもしろい答えが飛び出してくるかも~( *´艸`)
わたしにやってほしい!っていう人いたらお気軽にメッセージくださいね。
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