なぜ、認知症介護なのか?「家族との関わり編」
「なぜ、認知症介護なのか?」シリーズ。
はじめて就職した特養からの異動で支援センターの相談員になった話は前回しました。
地域に出るようになって、認知症の人とその家族に出会う機会が増えたんです。
関わるうちに認知症の症状が出てくる方もいました。
家族や近隣の人から、「なんだかおじいさんの様子がおかしいの」といった小さなお悩み相談から始まったり。
突然出て行ってしまったり。
ヘルパーさんからの情報で、最近生活が変わってきていることを知ったり。
ゆっくり進行していくタイプの認知症のおばあさんは、少しずつ消えていく自分の記憶や、できなくなっていくいろんなことに自分でも気づき、ご主人と一緒に泣いて暮らしていたそうです。
わたしが出会ったころには、言葉も出なくなっていましたが、いつもステキな微笑みを浮かべていました。
その横にはいつもご主人が寄り添っていました。
わたしの親戚のおばあちゃんは、突然脳梗塞で倒れました。
家で倒れているのを、訪問した孫が発見。
一夜で別人のようになりました。
退院後すぐにわたしの勤めていたグループホームに入所されましたが、声は出るけど言葉にならない。身体も半身が不自由になっている。
でも、人の顔は認識できたんです。
一番近い存在だった娘さんにだけ、冷たい態度をとるようになりました。
面会時に声にならない声で怒鳴って追い返すこともありました。
はじめは娘さんも「なんでわたしにだけ…」と涙を流していました。
でも、孫やひ孫はかわいがってくれる。それだけでも救われる。
面会時には離れた場所からおばあちゃんの様子を見ながらいろいろとお話をさせていただきました。
そんなふうにして、認知症の人のご家族と関わるうちに、ますます
介護の仕事を楽しもう!!って思うようになりました。
家族が辛いからこそ、いろんな思いがあってどう関わっていったらいいかわからないからこそ。
介護職員として、認知症になった今のその人と楽しい時間を過ごしたい。
楽しい時間の中で、笑顔が見られた時にはご家族に伝えたい。
介護職員として、認知症の人とご家族が穏やかに一緒に過ごせる場所つくりをしたいと思ったんです。
家族が出入りしやすい、面会が多い施設。
家族と一緒にお出かけしたり、施設内の行事で一緒に楽しむ。
わたしは自分ならそういうところに入りたいな(*´ω`)
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認知症の人は子どもと同じ?
認知症の人がお風呂嫌がったりするのって小さい子どもと同じですね。
今日、ある方とお話している時にそんな話になりました。
確かに、「お風呂入ってほしいのに嫌がる」その出来事だけを見たら同じですね。
でも、やっぱり同じようで違う。
この世に生まれてまだ間もない子ども。
何十年も生きて、たくさんのことを経験してたくさんのことを背負ってきたお年寄り。
認知症になることでその背負ってきたものをおろして身軽になっているのかな~、なんて思う時もあります。
積み重ねてきた年月。
その中で繰り返してきた生活習慣。
いろんな経験の中で無意識の中に刻み込まれたもの。
認知症になって、自分の気持ちを表現できなくなってきたとしても。
寝たきりになって、会話もできなくなったとしても。
確実にそこまで歩んできたその人の人生がある。
本人以外、本当の気持ちを知ることはできないけど。
その人のこれまでの人生、これからの望みに気持ちを向けて関わること。
それが「寄り添う」ということなんじゃないかと思うのです。
何にもわからない。
子どもと同じ。
そう見えるかもしれない。
そんな時には、ちょっとその人の人生に思いを寄せて。
寄り添う気持ちを大切にしていってもらえたら。と思います(*´ω`)
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介護の仕事であなたの支えになる3つのこと
介護の仕事は「大変でしょ~」ってよく言われます。
でも、どんな仕事でも大変な時って必ずあります。
新しいことをはじめようとする時。
そりの合わない人が周りにいる時。
なんだかわからないけどうまくいかなくて落ち込む時。
そんな時に介護の仕事の中でしてほしいことを書きます。
「大変」なこともあるけど、「つらくない」。
そんなふうになれてから、わたしは本当に仕事が楽しくなりました。
新しい事業所に配属されたけど、必要な情報を渡してもらえない。
先輩職員に聞いてもわからない。
自分と上司の介護に対する考え方が大きくずれている。
お年寄りの状況で気になることがあっても上司に取り合ってもらえない。
でも、お年寄りのこと大好き(*´ω`)
介護の仕事は続けたい~(*´ω`)
こんなお悩みを抱えている人へ。
これは以前からお伝えしてますが、
まずは一人でもいいので、話を聞いてもらえる人を見つけましょう。
先輩、同僚、上司、関係機関の職員など。
これは、話を聞いてもらった後にあなたが前向きになれたり、心が軽くなる人のことを指します。
いきなり仕事のお悩み相談がしにくかったら、挨拶と一緒に簡単な質問をするのをおススメします。
「昨日、〇〇さんの様子どうでした?」みたいに。
それも難しいな~って思えば、まずは挨拶を笑顔で元気よくしましょうね~(*´ω`)
まずはコミュニケーション♪
それから、
記録は確実に残しましょう。
施設における介護記録や、ヘルパーのサービス実施記録など、気付いたことやお年寄りの様子はきちんと残しましょう。
もし、直属の上司が取り合ってくれなくても、その記録が他の人の目にとまることは十分に考えられます。
なにか問題が起こった時に自分の身を守るものにもなります。
そして、上のふたつを意識しながら最も大切にしたいこと。
お年寄りとの信頼関係を築くこと。
これは時間がかかることもあります。
認知症の人はその日に会っても、次の日には忘れてしまうことも多いです。
訪問介護の場合は、週に一度、数時間しか関わらないこともあります。
それでも、
「あなたのこと大好き(*´ω`)」って気持ちは必ず伝わります。
介護の仕事が好きな人にとって、
大変な時に癒してくれたり、励ましてくれるのはお年寄りの笑顔や言葉だったりします( *´艸`)
介護の仕事は「何かを与える、してあげる」ことではなくて、
「支えてもらう、教えてもらう」ことの方が多いとわたしは思ってます。
そんな素敵な仕事を、たくさんの人が続けていけますように♪
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仕事中、心にゆとりありますか?
介護の仕事って忙しい時は本当に忙しい。
グループホームで働いている時も、
このおばあちゃんのお風呂行きたい。
でも、あっちで「トイレ行きたい」って言ってる。
こっちでなんだかけんかが始まりそう…。
向こうではおじいちゃん転びそうになってる!
みたいなことが重なる時がある。
そして、夜勤中も。
みんなで示し合わせたの?っていうくらい同じタイミングでお部屋から出てくることがある。
トイレ付き添わなきゃいけない人が多いし、転倒の危険がある人もいる。
別の人のお部屋に入っていってしまう人もいる( ゚Д゚)
もうどうしたらいいの~!!( ゚Д゚)
そんな時、自分の身体や心がどうなっているか一度イメージしてみて下さい。
きっと体中に力が入ってます。
呼吸は浅くなってます。
イライラして顔つきもこわばってないかな?
忙しいのはよくわかります。
イライラするのも当たり前。
でも、そのまま認知症の人に関わろうとしたらどうなる?
おじいちゃんたちからしたらめっちゃ怖いと思いませんか?
だって、名前もよく知らない若造が突然近づいてきてなんか言ってる。
なんだか怒ってるみたい…。
ここがどこかもわからない人もいるかもしれない。
そんな状態でお風呂やトイレや部屋に誘われて、ついていきたいと思いますか?
今回のコラムでは、仕事中にほんの少しの時間でできる「心にゆとりを作る方法」
について書きました。
のぞいてみて下さいね(*´ω`)
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笑顔の花咲く介護ミニセミナー
はじめてミニセミナーを開催します♪
わたしはこれまで、自分から進んで講師を務めたことはありません。
自分が「やる!」って決めた初めのセミナーが先月開催されたセミコンだったという…(;^ω^)
いきなり100人の前でセミナーやってしまいましたね~( ゚Д゚)
以前のわたしからしたら考えられない…
その後、「今後自分のセミナーやります!」って宣言したところ、「ミニセミナー開催してほしい」とご要望いただきました( *´艸`)
なんとありがたい…。
お話いただいたその場で開催日時を決定。
内容はリクエストして下さった方のお悩みにフォーカス。
まさにたったひとりに向けて作るセミナー( *´艸`)
でも、同じお悩み抱えている方絶対いるので!
ここでもお知らせさせてくださいね。
☆笑顔の花咲く介護ミニセミナー☆
「介護拒否はなぜ起こる?」
・日時 4月26日(水曜日)
13時から15時半
・場所 愛知県半田市住吉町「ゆきのしずく」
(自宅サロンになります)
・参加費 2000円(飲み物、おやつ付き)
・定員 6名
☆こんな人におススメ☆
・認知症の人への声かけに自信がない人
・テキスト、研修などで学んでも実践で活かせない人
・介護の悩みをまわりに相談できないでいる人
・介護の仕事をしている仲間が欲しい人
2月に認知症介護のお悩みについてアンケートを実施したところ、半数近くの方が「介護拒否」で悩んでいました。
そもそも「介護拒否」って何なのか?
なぜ起こるのか?
どう対応したらいいのか?
講義での解説+ワークでのご自身からの気づき。
「介護拒否」の概念が変わり、次の日からの仕事がちょっと楽しくなる♪
3か月後にはもっともっと楽しくなる♪
そんな時間にしていきます( *´艸`)
お申込み、お問い合わせは下記ブログ内にあるLINE@からよろしくお願いします。
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じじばば語録
ブログを書いているとかたい記事が多くなってしまいがちなので、たまにはこんな内容も(*´ω`)
お年寄りとの楽しい時間。
普段の会話の中での思わず笑っちゃうような言い回しやびっくり表現をちょっぴりご紹介♪
〇お風呂の時間〇
お風呂大好きなおばあちゃん。御年92歳。
湯船につかって手をグーパーして体操。長年の習慣ですね。
そしてひとこと。
「気持ちよさブロー(*´ω`)」
ずっと見てきましたが、本当にリラックスして気持ちがいい時しか言わない。
なので、「よさブロー」を聞くために、わたしもがんばります( *´艸`)
〇嬉しい時〇
こちらも同じおばあちゃん。
「ありがとねぇ~」と言った後に、
「ありがたいならいもむしゃくじら!」
え?いもむし?いもむしゃ?
いつも言うので気になってネット検索。
「蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨」だって!
お勉強になります( *´艸`)
それから、もうひとつ。
「よろこんで~ころこんで!」「ねころんで!」
これもネット検索。やっぱりとっても嬉しい時に使う言葉だそうですよ。
でもね、これをわたしたちが言うと「なんですかそれ?」ってすました顔で言われるの!
いや、いつもあなたが言ってるやつじゃん!!( ゚Д゚)
ってつっこみたくなることもしばしば。笑
〇お手洗いにて〇
トイレに座ったけどなかなか出ない時もあります。
あるおばあちゃん。
「出そうで出ないは墓場の幽霊」
おっ!うまいこと言いますねぇ(*´ω`)
また別の日に、今度はおじいちゃん。
「出そうで出ないはババアのげっけい」
はい?今なんて言った??( ゚Д゚)
聞き間違いかと思ったら、後日別の職員も聞いたそうな。笑
おじいちゃんおばあちゃんからは、全部覚えていられないくらいの楽しい会話が飛び出します。
昔の口癖や流行ったシャレ。
自作の歌。
これも介護の仕事の楽しみのひとつ( *´艸`)
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介護施設を経営している人へ
施設経営するにあたって一番大事なことってなんでしょう?
わたしも5年前、介護施設を立ち上げようと考え、いろんなところに相談に行きました。
市の職員、県の担当、銀行、税理士、リフォーム業者、同業者…
どこに行っても必ず出てくるのがお金。
お金とっても大切!!
お金なかったら土地も建物も手に入らないし、人を雇ったら給料払うし、自分だって生活していかないといけない。
わたしは実際に経営したことがありませんので、介護職員として見てきて感じることを書きますね。
経営者は年寄りをお金としてしか見ていない!
っていう不満の声もよく聞きます。
お年寄りを大切に思う介護職員さんだからこそ出てくる言葉だとも思います。
でもね、きっと問題はそこじゃない。
経営者が「年寄り」=「金」って見るのは仕方ないんです。
問題なのは、
経営者が、「本当にお金を生み出しているのは誰なのか」が分かっていないっていうこと。
誰だと思いますか?
施設を支え、お年寄りを支え、お金をいただくためになくてはならない存在。
介護職員さんです。
働く人がいなかったら、お年寄りは生活できないし、施設は潰れます。
大切にされていない職員は長く働くことは難しい。
だから職員がどんどん入れ替わる。
給料が良ければいいって言う人もいるけど、それだけじゃないんです。
8年ほど前にわたしは、ある施設の立ち上げ職員として採用されました。
建物も素晴らしく、給料も悪くはない。
意識の高い人が集まり「日本一の施設にしよう!」って盛り上がっていました。
でも、半年足らずで立ち上げ職員が次々と退職。
なぜだと思います?
はじめの2ヶ月は給料もらえませんでした。
理由は「補助金がまだおりなくてお金がないから」。
その時の施設長の言葉。「たいして働いてないんだからいいだろう」。
そして、給料は払えないけど、高い車を買ったと嬉しそうに話してくるんですね。
その後、施設長が不祥事を起こしても結局は職員が悪いと。
耐え切れなくなった立ち上げ職員が退職を申し出ると、「辞めてほしいと思ってたからちょうどよかった」と言われました。
こういうところでは、介護への情熱を持った人ほど長く働くのが難しい。
どっちが偉い、どっちが立場が上、ということではないです。
介護施設を経営して収入を得ようと思ったら、施設の評判は悪いよりいい方がいいですよね?
「この施設に入りたい」と選んでもらえる方が良くないですか?
そうなる為に必要なのが介護職員のあり方。
その部分を軽視しないでください。
施設を支える土台の部分です。
土台がしっかりしていないと、ちょっとしたことで一気に崩れますよ。
介護職員がそれぞれの力を発揮して輝いていける環境を整えていくこと。
大切にしていただきたいと思います。
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